福島邸 2000 (個人住宅 神奈川県横浜市)

【建築を消滅させた建築】

建築らしさを排除して、どこまで建築を創れるか、の模索。

 

【都市の棚田】
施主は元国際規模のIT企業の副社長で、現在ベンチャー企業をめざす人々へのアドバイサー的な仕事 をしている。そのため規模の大きい住宅が必要になり現在菜園として利用している土地に新築することになった。この敷地周辺ははごく一般的な分譲住宅地で、緑豊かな住宅環境ではない。

 計画にあたっての施主の要求は、
1.あざみ野の分譲敷地を、この地域の本来の植生を復元させる。
2. 趣味の家庭菜園を楽しめる施設にする。
3. 来客、しかも宿泊客が多いと予想されるので、来客空間と個人空間を分け、両者が遠慮なく過ごせる
 家にしたい、であった。

そのために以下を提案した。“都市の棚田”
1. 敷地の周囲を、シラカシ、ケヤキ、等の在来樹木で囲み、鎮守の森のようにする。
2. 建築は人工地盤を重ねた方法をとり、重なる部分に居住部分に使い、その他を緑化菜園にして棚田のような形態にして、建築を消滅させる。

※計画は現在中断している。